成功するためのポジションはどこ?
有望なマーケットがあったとしても、今の手持ちの商品やサービスが、そのマーケットにピッタリのモノであるかは分からない。
そしてまた競合他社が似たような商品やサービスをすでに提供しているかも知れず、そこでもうすでに大きなシェアを取っていて、参入するには遅すぎるという場合もある。
狙ったターゲットに自社の商品やサービスがそれなりのポジションを取れるかどうかは、ゲリラマーケティングの本によると、次の4つの判断基準から分かるという。
それは
- ターゲット顧客は、その商品やサービスを本当に必要としているか?
- その商品やサービスは、ターゲット顧客に本当に便益を与えるか?
- その商品やサービスは、競合他社と差別化出来ているか?
- その商品やサービスはユニークで、すぐに真似ることができないものか?
うーーん、4つ目は、なかなか難しい話やね。
しかし成功するためには、競合他社にすぐ真似されるようなものではだめだってことだ。
しかしこれが見つけられるのであれば、成功は逆にすぐそこにあるといえるかも知れないね。
というのも、オリジナルというのは、単なる真似より強いから。
その商品やサービスのミッションは何か?
自分自身や自社の使命(ミッション)というのは、けっこう深遠なテーマだ。
外資系の企業には、ミッションというモノが必ずあって、それは「何を持って、どういうカタチで社会に貢献するか」ということだ。
要するに、その会社が社会に存在する意義ってコトやね。
そしてそのミッションを元に、やることを決めてくワケだ。
「あれやります」「これできます」と言う感じで、何でもかんでも手を出していたら、経営資源なんかすぐに尽きてしまう。
それを防ぐためにも、自分はどういう事が得意で、どういう事をして社会に貢献したいのか、そしてそれによって対価を得たいのか、これをハッキリさせる必要がある。
たとえば、イタリアンレストランのサイゼリアは、当時高価だったイタリア料理を、格安価格で提供するというミッションで大きくなった。
イタリアンレストランを始めたのはいいけれど、開店当時はイタリアンレストランなんて値段ばかり高いだけという認識だった。
それで全然お客が来なかったので、「え~い、7割引にしてしまえ!」とやったら大流行。
それがつまり成功の第一歩だったわけで、それ以来ずっと、「格安価格でイタリア料理を提供する」と言う路線で店舗を増やしてきたという。
また居酒屋チェーンの「白木屋」は、狭くて男ばっかり・常連ばかりな居酒屋がとても嫌だった創業者が、広くて女性でも来れる居酒屋を作るというミッションを立て、大きくなった。
定食屋チェーンの大戸屋も、二代目オーナーが女性にしっかりした食事を提供するというミッションを立てたことから、池袋の小さな食堂からチェーン展開が始まった。
どちらもほんの30年前の創業で、たった一軒からスタートしたチェーンだが、その元になるミッションがユニークだったために成功したということだろう。
もちろん、必ずしも低価格化はミッションとしなくても良い。
成功するには安ければいいというものではない。
サイゼリアは低価格を売りにしているが、他の二つのチェーンは低価格化を必ずしもミッションとしていないで成長しているし。
ただ白木屋も大戸屋も、ターゲットは女性だというところに注目する必要がある。
21世紀の有望マーケットである「老人・女性・少数民族」に1990年代から目が向いていたって事だ。
成功するのは、ある種当たり前だったかも知れない。
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