ミッションのなさは、商品やサービスに現れる
経済関係の書物で、一般の出版社が翻訳会社に頼んで作ったような本は読んでもさっぱり分からないような出来が多い。
これは経済学や経営学の基礎知識がないから分からないのではなくて、翻訳自体がかなりひどいと言うことになる。
また翻訳会社も、ビジネスの実務的な翻訳はできても事例などをたくさん挙げているような経済書の翻訳はなかなか難しいものなのかも知れない。
しかし、アメリカで売れた本だから、翻訳すれば日本でも売れるぞって感じで、ただ作っただけの本が非常に多い。
翻訳者に「もっと分かりやすく書いてよ」と言えばいいのに、翻訳料などを安くあげようとして駄訳本にしてしまうと名著であっても売れずに絶版になってしまう。
「本を出せます」「翻訳出来ます」というレベルで翻訳・出版された本と、日本のビジネスをこれで変えてやろうというミッションを持って翻訳した本とでは、やっぱり頭の中に入りやすさが違う。
これがつまり、小さなお店や小企業でも、ミッションやアイデンティティをハッキリさせる必要がある理由だ。
アイデンティティ、つまり何のためのビジネスか?
一昔前、CI活動というのが流行った。
CI活動というのは、コーポレート・アイデンティティと言うもので、企業のアイデンティティをハッキリさせようという話だった。
アイデンティティというのは、要するに存在意義ってことだ。
その企業がなぜ存在する必要があるのか、その意義をハッキリさせることによって、企業の活動が最適化されるということだ。
たとえば標識の会社の存在意義は、交通事故や交通事故を減らすことだろう。
決して警察署から注文があるってだけで存在しているわけではない。
それなら別の会社がもっと良い標識を作って、そっちに発注が行ってしまうので、最初の標識会社は潰れてしまう。
これがつまり、企業のアイデンティティと言うものだ
でもしか企業になるな!
スーパーでも、安売りに徹するなら安売りで、品揃えに徹するなら品揃えで、顧客サービスに徹するなら顧客サービスで。
「安くすれば売れそうだ」ではなく、「うちのスーパーは、値段で顧客の期待に応える」というミッションでものを売る。
「品揃えがいいと、お客さんが来そうだ」ではなく「うちのスーパーは、品揃えの多さで顧客の期待に応える」というミッションで経営する。
そうすると、低価格を期待しているお客さんは安売りに徹底したお店に行って、満足して買う。
良いモノを探し求めているお客さんは、品揃えを徹底したお店に行って、満足して買う。
それがつまり他企業との差別化になる。
安さも中途半端、品揃えも中途半端。
そういう企業は、でもしか企業になってしまう。
コレは一番避けないといけないパターンだ。
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