下手くそな手書き文字のPOPが目を引くわけ
効果的な広告や訴求サイン、POP(ピーオーピー)とは、一目で見て、何を訴えているのかが分かるものである。
そのためには第一に、それを探している人の目に飛び込み、何の広告であるか分かるように工夫しなければならない。
きれいなレタリングやデザインは不必要。
というか返って邪魔になる。
一番良いのは、「手書きの文字」だという。
もちろん、何が書いてあるのか分からないような下手くそな文字では意味をなさないが、パッと見て読めるレベルの文字であれば十分だ。
広告というのは大抵の場合、同じような字体ばかりで構成されていたりするので、そんな中に手書きの文字が混ざっていると、目立つ。
何しろ手書き文字の場合、他の活字とは全く違ったイレギュラーなデザインになることが多いからね。
だから達筆よりも、癖のある手書き文字の方がいい。
書店の「手書きPOP」が効果的であるのは、活字ばかりの中に、活字とは全く異なる字体のPOPがあるからであろう。
子供の書いたような下手くそな文字の方が、広告的には正解なのである。
POPでクロスセル・アップセル
POPは、一つの商品を売るためだけではなく、クロスセルやアップセルにも役立つツールである。
クロスセルやアップセルとは、客単価を上げるためのノウハウで、たとえばハンバーガーを買いに来たお客さんに、「あわせてポテトはいかがですか」「ドリンクはどうされますか」などと声をかけることによって、目当てのハンバーガー以外の商品を買ってもらう作戦だ。
お客さんはそこで「あ、そう言うものもあった方がよいのか」と思って、あわせ買いをする。
これがクロスセルだ。
一方、アップセルとは、ベーシックな商品を買いに来たお客さんに、それより一ランク上の商品を奨めるという方法だ。
ベーシックなメニューというのは、本当に必要最小限のものだから、それ以外にニーズがないか、お客さんに考えてもらう。
安物でもいいやと思ってスーツを買いに来たお客さんに、少し良いデザインのものや、良い生地のものも見せる。
そうして比べてみると、安物は安っぽく見えてしまうので、よほどお金に余裕がない場合を除き、少し上のランクのものを買いたくなってしまう。
実際それがどのくらい価値があるのかは分からないが、良いものを見てしまうと、そちらが欲しくなってしまうんだね。
なのでPOPを作る際は、クロスセルやアップセルも念頭において作ることを心がければ客単価は上がるはずだ。
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